看護教育の方法と課題 教育現場での悩みを解決するために・8
教授目標の分析—目標行動の論理分析
沼野 一男
1
1玉川大学
pp.118-123
発行日 1985年2月25日
Published Date 1985/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908072
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なぜ目標を分析するのか
目標行動は,教師や指導者が教授活動を通じて学生に形成しようとする行動である.目標行動は一般に複雑な行動であり,それを決定しさえすれば簡単に形成できるというものではない.目標行動を形成しようとすれば,それ以前に多くの基礎的行動あるいは下位目標行動を形成しておかなくてはならない.看護研修研究センターで行われている幹部看護教員養成課程の私の授業で,本年度のあるグループは‘右肺中葉に痰がたまっている運動機能障害のない患者に,痰を出すための体位をとらせることができる’という教授目標を分析したが,この行動を学生に形成するためには,それ以前に少なくとも,次のような下位目標行動を形成しておくことが必要になる.
① 体位をとらせるための準備ができる(条件は目標行動と同じ)
② 体位をとらせることができる(同上)
また,学生が②の行動ができるようになるためには,さらにその形成にとって基礎となる次のような行動が考えられる.
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