Japanese
English
海外研究論文抄読
看護教育のために,なぜ概念的構成は必要か
Why a Conceptual Framework?
Dorothy E. Reilly
1
,
藤村 龍子
2
1ウエイン州立大学
2東海大学医療技術短期大学看護科
pp.573-578
発行日 1977年9月25日
Published Date 1977/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907135
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
看護に本当に必要とされているものは,看護の‘理論的構成’(theoretical framework)である.その正しい方向づけは‘概念的構成’(conceptual framework)を前提としているが,概念的構成は,予言的な構成ではなく記述的なものであってはじめて,その第一歩をなすものであるといえる.
新聞読者の素人であろうと,あるいは私のような専門文献を読むカリキュラムプランナーの看護理論学者であろうと,あらゆるところで新たな看護界のはげしい挑戦に気付きはじめている.その挑戦は,単に医療行政管理に盲目的に忠実な諸機能に対するものとしてではなく,患者のための能動的パルチザン(遊撃兵)—すなわち,ヘルスケアを個別化する肯定的行動をする主唱者—になろうとしている.このような趨勢(すうせい)のなかで‘新しい’看護婦に必須な技術を発展させるために,どのようにカリキュラムを構成すべきであるかを自ら問いかけなければならない.その結論は,看護の専門分野グループの狭い視野だけから引き出されるものであってはならない.それは看護婦の責任を,社会が期待する質の高いケアのために反映するものでなければならない.‘高等教育のためのカーネギー委員会’は,専門教育上の諸欠陥として専門家をクライエントから分離している点を指摘している.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.