教育研究レポート
看護学総論—その教育内容の再検討
田島 桂子
1
1順天堂高等看護学校
pp.406-416
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907002
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はじめに
新カリキュラムによる教育が始まって8年経過した.このカリキュラムは,25年前,新制度の看護婦教育としてスタートしたカリキュラムを,時代の要請により大幅に改正したものである.この新カリキュラムによる教育は,一般に,看護を総合的にとらえ,総合看護の理念に基づき,将来どの方向にも伸びてゆける可能性をもった,考える看護婦を育成するという目標を掲げたとされている.そしてそれは,健康—健康危険時—健康阻止時—回復期—健康という個人の健康のサイクルの各段階に対して,個別に看護(働きかけ)していける看護婦の養成を看護教育の課題としている.
しかし,この8年間の医療体制や看護の経緯を見ると,この時代の要請が何を意味していたのか,またその時代の要請に看護教育がどうかかわろうとしていたのか,ということについて,再考する必要があるように思われる.
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