——
日本およびアメリカ合衆国における看護教育制度と教育内容に関する比較検討
三沢 啓子
1
1千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
pp.103-116
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
保健婦・助産婦・看護婦法(保助看法)に基づく学校養成所指定規則の看護教育カリキュラムが改正され,約9年の歳月が流れた.著者もこのカリキュラムにより看護を学んできた者であるが,社会では医療需要の増大,医学の進歩により目ざましい発達をみた医療技術などにより,現場における看護婦の量的・質的なレベルの高度化が急務として,大きな社会問題となっている.
これらの問題解決のために,様々な方策が講じられている.質的向上においては,短期大学や4年制大学の中に看護教育を確立して,看護教員や研究者の養成を目指している.しかし,これらは歴史も浅く,数も少なく,質の向上のための十分な解決策としては未熟である.また,これら大学における看護教育において,本来の独自性ある大学教育を生かせず,各種学校の域を越えず,むしろ多少無理のあるカリキュラムを組む実情すらうかがえる.これはわが国における看護教育を規制する保助看法による学校指定規則が未熟で,その非合理性に因るものも少なくないと考える.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.