教育技術ゼミ
テストの方法・4—論文体テスト
沼野 一男
1
1東邦大
pp.54-56
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906387
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論文体テストの長所と欠点
論文体テストには,評定の客観性が保証されないこと,出題数が限定されるためにテストの結果が必ずしも学生の真の実力を示さないこと,出題者の出題の意図が学生に明確に把握できないことがあることなど,いくつかの欠点がある。これについては前回にかなり詳しく述べた。
しかし,論文体テストのこういう欠点が知られているわりには,このテストの型式は現在でも広く行なわれている。特に論文体テストの欠点を是正する目的で工夫された客観テストが,断片的な知識をテストしているにすぎないとか,○×式のテストでは,学生の勉強が教科書を暗記することになりやすいという批判を受けるようになって,論文体テストの価値が再び見直されようとしている。
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