連載 教育評価のはなし
論文体テストの作り方
岸 学
1
1東京学芸大学
pp.729
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206945
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前回は,客観テストの特質や,テストを作るときの注意についてお話ししました。今回は,それに引き続いて,もう1つのテスト形式である論文体テストを見てみましょう。
須賀哲夫著「知覚と論理」(東大出版会)の中に次のようなエピソードが紹介されています。ある先生が哲学の試験で「イデオロギー」という語の説明を求めたところ,「これはコオロギの一種ではありません」という答えがかえってきたというのです。これを×にするとイデオロギーはコオロギだということになり,○にすると試験そのものが成立しなくなってしまうという話です。もちろん,「ふざけている」といってしまえばいいのですが,教育評価の点からみると,出題者側の反省を促すには名答であろうと思います。
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