誌上講座・学生指導・11
第10講 カウンセリングの進行〔A〕
徳永 清
1
1明治学院大学広報室
pp.47-53
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906386
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■カウンセリングへの導入
(1)「ラポート」と「場面構成」
a)「ラポート」とは,何か
ラポート(Rapport)はもともとフランス語で,心と心とのつながり,親近感,または親和感などと訳されている。心理学者のなかには「心のベルト」とか「心の紐」,あるいは「心の掛橋」などと説明しているものもいる。
つまり,心をひらいて相手と接し,不必要に持っている警戒心や不安感を取りのぞいて,思っていることを自由に話し,また相手の語りかけをよく聞く—というなごやかな心理状態,あるいはそのような心理状態に導く心理操作の技術を「ラポート」というのである。普通「ラポートをかける」とか「ラポートづくり」というように用いている。
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