特集 教務への期待と提言
論稿
臨床から教務へ
痛感する患者把握の不足—養なわれない人間観察
永原 玲子
1
,
池原 田鶴子
1
1金沢大学医学部付属病院
pp.33-34
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906153
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現場に出てみて
勤務に出てはや十ヶ月近くになりましたが,忙しい病棟勤務の中で仕事を消化するのに働いているような毎日です。そんな勤務の中で私たちの気付いた事,また感じた事を書きたいと思います。
病棟勤務においては,まず入院患者を受け入れることから始まります。患者を医学的立場から理解するために,まず患者が入院した際に知りたいことは,その患者の病名です。私共の病棟においては,入院患者を外来へ迎えに行く場合,外来でその患者はどのような病名の患者であるか一応尋ね病名を知ります。しかし一見してどこが悪いのか,どれ程の症状が現われているのか解らない場合があり得ます。外来カルテには入院患者の病気の移行状態,検査結果,訴えなどが記入されてあります。
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