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周産母子部の仕事と役割
●助産婦学校進学の動機
佐藤 私の助産婦学校に進学した動機は,一応看護学校を卒業してから実務経験2年ほどあるのですが,その間,手術場勤務という特殊な勤務場所だったのです.それである程度熟練した,とでもいうのでしょうか機械的な仕事だったんですね.それでやはり何か,「もの足りない」という感じと,それからもう少し「意義のある仕事」をしたいということで,それで助産婦学校進学を志したというわけです.助産婦学校に入りまして,分娩介助を12例実施したのですが,そのあいだ1例2例は夢中でありましたが,10例近くになって,何か母と子の生命というんですか,そういうものに対してすごく自分のテクニックというものが,何か影響するようで卒業するころには,これで一人前になれるのかなあーという不安があったわけなんです.それで自分の方針を決めるとき,どこに就職しようかということで,一応大学病院を選んだわけですが,その動機としまして,やはり教育の場というところ,それから学生の指導の場としての大学病院を選んだわけなんです.いま助産婦教育を含む看護教育問題でいろいろと問題が起きていますけれども,その中で助産婦教育ということを考えるときに,私たち1年間助産婦学校に入りまして,卒業間際になって不安を持ったというように1年では,とてもたりない.1年間に受けた教育だけでもまだもの足りないというんですか,生命に対する責任の重大性というのでしょうか,いろいろな面を考えると何かこれ以下の教育には絶対にできないという感じなんです.私は卒業して約2年目になりますが,まだテクニックも未熟ですし,人間関係でもだいぶ悩んだこともあります.そんな中で不安もあります.しかし,助産婦になって本当に良かったということが,いま言えることです.
本誌 どういうことで.
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