新カリキュラム講座 一般教養課目・4
地学編II
兼平 慶一郎
1
1千葉大学文理学部
pp.110-113
発行日 1967年9月1日
Published Date 1967/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905879
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地球科学の歴史
地学あるいは地球科学という学問の全体を展望するような講義,あるいは地球科学の基礎となっている考え方を理解させるような講義が一般教育の地学では望ましいであろう。しかしそうは言ってもこれはなかなかむずかしい注文である。科学というものを展望するときに,科学史をたどってみるのが一つの手段と思われるが,地球科学という学問の輪郭を展望しようとする場合にも,その発達の歴史をたどってみるのが一つの有効な手段であろう。
ところで地球科学は,地質学・鉱物学・地球物理学・地球化学・気象学など地球を研究する多くの分野を含んでいる。これらの各分野は学問としてそれぞれ特徴があり,またその発達の歴史を異にしている。地球を研究する学問・統一された地球科学というものが意識して論じられるようになったのは近年のことに属するし,現在はまだ各分野の学問が,地球を研究するという点で統一される気運にあるという段階なのである。ここでは,主として地質学の歴史の一部を述べて,現在の地球科学の状態とひきくらべてみることにしようと思う。
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