特集 第27回日本脳・神経外科学会
一般演題抄録・討論—一般演題〔I−46〕〜〔I−50〕,〔I−65〕〜〔I−73〕,〔II−51〕〜〔II−100〕,〔II−108〕〜〔II−113〕,〔II−122〕〜〔II−133〕
近藤 駿四郎
1
,
橋本 義雄
2
,
竹内 一夫
3
,
星野 列
4
,
田中 憲二
5
,
光野 孝雄
6
,
斎藤 義一
7
,
相沢 豊三
8
,
橋場 輝芳
9
,
粟津 三郎
10
,
山本 信二郎
11
,
徳岡 俊次
12
,
渡辺 茂夫
13
1日本医大第2外科
2名大外科
3虎の門病院脳神経外科
4広大第2外科
5順大第2外科
6神戸大第1外科
7鳥取大外科
8慶大相沢内科
9札医大第2外科
10東邦大外科
11金沢大脳神経外科
12山口大外科
13社保中央病院
pp.404-452
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202533
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グリオーマの細胞学 一般演題【1-46】〜【1-50】
【1-46】頭蓋内潜在腫瘍
大阪北野病院脳神経外科
荒木 千里・松本 悟
頭蓋内潜在腫瘍,すなわち剖検の際死因と無関係に偶然発見される頭蓋内腫瘍がどの位あるかを日本病理剖検輯報によつて調べた。昭和39年度分で剖検総数16,000例中頭蓋内潜在種瘍は42例で,これは順位上,子宮,卵巣,腎,甲状腺,肝,腸,胃,副腎の潜在腫瘍に次ぐ第9位であり,膵,前立腺,肺その他のものより上位にある。各臓器ともかかる潜在腫瘍は大部分良性である。また死因をなす主疾患が腫瘍性の時に潜在腫瘍が多いわけではない(46.2%153.8%)。さらに昭和33〜40年度分につき,頭蓋内潜在腫瘍170例の種別をみると下垂体腺腫73例,髄膜腫44例,神経鞘腫13例,脈絡叢乳頭腫2例,血管芽細胞腫2例,頭蓋咽頭腫2例,膠腫14例である。
頭蓋内(顕在)腫瘍に伴う第2の頭蓋内潜在腫瘍、すなわち重複ないし多発腫瘍としては,神経鞘腫における髄膜腫の合併(9例),神経鞘腫の多発(5例)がやや多いが,膠腫における髄膜腫の合併(3例),膠腫における下垂体腺腫の合併(9例)も少数ながらある。一般の重複腫瘍の場合と同じく症候的に表に出やすい腫瘍(神経鞘腫,松果体腫傷など)と出難い腫瘍(髄膜腫)とある。
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