新カリキュラム講座 一般教養課目・4
地学編I
兼平 慶一郎
1
1千葉大学
pp.34-37
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905862
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はじめに
看護教育において一般教育(一般教養)が従来よりもずっと充実されることになった。一般教育自然科学の中の一科目として地学も加えられることになった。大学の一般教育はいかにあるべきかということは,いろいろと論じられてきているところである。看護教育のように,いわば特殊な職業教育を大きな目的の一つとしている場合には,そこでの一般教育はどうあるべきかということは,さらに大きな問題であり,議論の多いところであろう。
ところで,看護教育における一般教育充実の必要性を認めたとしても,一体法学や経済学や心理学,あるいは物理学や化学と並んで,一般教育として地学を教える必要があるだろうかという疑問が出されているようである。あるいはもっと卒直に,地学とは一体何なのだろうか,地学というまとまった学問があるのだろうか,という疑問も述べられているようである。地学という科目が高校や大学の一般教育でとりげあられるようになったのは戦後のことであり,地学という言葉自体一般の人びとにはなじみがうすい。殊に戦前の教育を受けた人々には全くなじみのうすいものなので,このような疑問がうまれるのももっともなことなのである。
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