カラーグラフ 生検による組織診断・12
骨髄(II)
北川 昌伸
1
1東京医科歯科大学医学部第2病理
pp.2643-2648
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903437
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組織診断の実際(前号より続く)
2.顆粒球系の異常
1)類白血病反応(leukemoid reaction)
末梢血中の全白血球数が50,000/mm3以上,または骨髄球より幼若な細胞の出現をきたした場合を類白血病反応としている.末梢血液像は一見白血病様であるが,類白血病反応を起こすような基礎疾患があること,血小板数に異常がないこと,幼若白血球の出現に対応して赤芽球も末梢血中に出現することなどから診断可能である.基礎疾患としては,悪性腫瘍(特に骨転移を伴うもので,多くは疼痛を伴う)あるいは粟粒結核や敗血症などの重症感染症が多い.骨髄は過形成性で,顆粒球系細胞の著明な増加がみられる(図13).
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