特集 教育技術を学ぶ
教育評価のもつ意味—≪研究授業における評価の基本≫
大野 清志
1
1東京教育大学教育学部
pp.15-18
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905287
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はじめに
私たちのいろいろな活動には評価をするということがついてまわることが多い。他人に対してする評価,自己にむけられる評価と,その方向もときによってさまざまである。何か目的をもって行動をしているものにとって,評価をすることは,その行動になんらかの改良や進歩を期待するために不可欠なはたらきである。特に教育の領域では主要な役割を演ずると思われる。この教育に関しておこなわれる評価を教育評価と呼んでいるが,研究授業の評価もこの意味では教育評価の枠組みの中で考えられる問題である。
ここで,与えられた題目の内容を考えてみると,まず,研究授業という,日常の授業とはちがった意図を含んでいる授業が終わったところで,研究の目的,計画などに照らしておこなわれる評価がある。研究課題がどのように指導目標にもり込まれ,それがいかに計画の上に移され,どんな教材を用いて,どれくらい効果的に展開されたかというような諸々の局面にわたって検討されるわけである。そのために,テストも使われるかもしれないし,チェック・リストや評定尺度なども利用して,検討に必要な資料が集められることになる。したがって,その方法や考え方は日常の授業におけるのと違いはないであろう。
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