調査・研究
体位変換の授業研究―自然な動きにもとづいた授業内容の検討
大津 廣子
1
,
中井 加代子
2
,
石垣 夫美代
2
,
石橋 佳代子
3
,
三吉 友美子
4
,
粂 房子
5
,
小笠原 光子
3
,
杉本 美子
6
1静岡県立大学短期大学部
2愛知県立総合看護専門学校
3刈谷看護専門学校
4名古屋市立中央看護専門学校
5国立名古屋病院附属看護助産学校看護婦科
6島田市民病院
pp.302-309
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903749
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はじめに
教員が学生に教えるということは,ただ知識の伝達をするのではなく,学生の認識や行動を変容させることを意味する.教員は自分が教える内容に責任を持ち,どのように学生に指導すればよいのか,どのような指導内容にすればよいのか等,授業をするにあたり十分な吟味,検討を行なう必要がある.
特に指導内容を教材としてどのようにとらえるのかは重要である.一般的に教材を広義に解釈すると,教師と学習者の間を媒介にして教育活動を構成・成立させるために一定の教育的見地から選定された文化財と解されている1).また教材は,学習を通して学習者に習得される知識や技術の構造をより正確に表現したものであることが望ましい.従って,教材は学習目標への手段として再構成されたものであり,学習目標の到達度に大きく影響するものであるといえる.つまり,教材はテキストにあるからといって,教材になるとは限らない.学生の能力や指導方法の特徴を考慮して再構成されて,授業の中で学生の学習の対象になり,初めて教材となるのである.
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