現場から
体位変換用シーツによる体圧測定の検討
木原 典子
1
1広島赤十字・原爆病院
pp.303-306
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100937
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私たち看護師が,患者の体位を変換したり移動したりするとき,バスタオル等の体位変換用シーツを利用することが多い.その場合,褥瘡の発生や悪化予防の目的で,介護者2名が両ベッドサイドに立ち,体位変換用シーツの持ちやすい位置をつかみ,患者を宙に浮かせた状態で移動させることがほとんどである.
では,患者を宙に浮かせた状態のとき,体圧はどう変化するのだろうか.とりわけ,褥瘡発生部位の50%以上を占める仙骨部にかかる体圧はどうであろうか.持ち上げている時間は,ほんの一瞬または数秒だが,仙骨部などにすでに褥瘡がある患者や,ポケットのある患者には,治癒の遷延化や既存のポケットの拡大を防ぐため,「引っ張り応力」がなるべく加わらない方法をとるべきだと考える.そこで,体位変換用シーツをつかむ位置を変えることによって,患者を持ち上げて宙に浮いた状態にしたときの体圧が,いかに変化するかを調査・検討したので報告する.
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