寝る・体位変換する

「眠る」ことに人生の多くの時間を費やすと言われているが，特に障害児・者にとっていかに快適に眠れるか，寝る姿勢をとれるかは重要である．その快適さの条件として，直接身体に触れる部分には，体温調節と尿もれに対して，① ムレ対策（通気性と吸汗性），② 清潔さ（洗濯可能かと速乾性），体位変換や除圧に対して，③ 体圧分散，④ こすれ（ずれ）対策などに配慮が必要である．これらの条件を満たす寝具（パッド・シーツや特殊マットなど）や体位変換用クッションは，特別に小児用とされているものは少なく，一般の介護用や市販品で代用されることが多い．

　パッド・シーツは，通気性とクッション性に優れた素材「フュージョン」と消臭効果のある「セミア」や，吸汗性，速乾性のある素材「アクアジョブ」（いずれの素材も旭化成せんい（株）製）などを組み合わせて層構造にした『キープクリーンパッド』^Aや『ピュアライフエアーパッド』^Bなどがある．そのほかに吸湿シーツと通気，通水，体圧分散に優れたウレタンフォームとハニカム網構造材の3素材からなる『汗取り通気パッド』，『汗取りシーツ』^Cや保温，蓄熱効果のある「オーラ繊維」を使った『ユメロンオーラベッドパッド』^Dは冷えとムレの両方に対応し，どんな季節にも使用可能である．日常使用に加えて外出時など携帯に便利で，薄くて軽く水洗いで繰り返し使える『ムレない防水シーツ』^Eなどもある．