看護教育研究
看護学の基礎教育における卒業研究―そのあり方・やり方
稲垣 敦
1
,
甲斐 倫明
1
,
市瀬 孝道
1
,
粟屋 典子
1
,
宮崎 文子
1
,
草間 朋子
1
1大分県立看護科学大学
pp.1002-1006
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903550
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はじめに
看護系大学・学部・学科が全国で105校(平成15年4月現在)になり,看護の高等教育もようやく途につき,それぞれの看護系大学が教育効果の高い看護学教育のあり方について,さまざまな工夫を重ねているところである.「看護学の卒業研究」もその1つである.しかし,卒業研究に関する報告は極めて少ないのが現状であり,他校での実践や経験を知る機会が少ない.そこで,本稿では大分県立看護科学大学での卒業研究の指導経験について紹介するとともに,ご批判をいただき,今後の改善に結びつけていきたいと考えている.
平成10年に開学した本学では,4年次生の「卒業研究」の指導を2回経験した.卒業研究では,学生が講義,演習,実習で学んだことを十二分に活用し,研究計画,調査・実験,論文執筆,発表までの一連の研究過程を主体的に学べるように配慮している.過去2回の「卒業研究」の経験ではそれぞれの学生が達成感と満足感をもって終了している.これは基礎科学教育を担当している全教員と看護の専門科目を担当している全教員とがお互いに議論し連携しあって卒業研究の指導に関わっていることが大きな要因の1つであると考えられる.
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