看護教育研究
患者とともに考える看護を目指して―臨地実習で学ぶ説明できる看護
宮脇 美保子
1
,
宮林 郁子
1
,
松田 明子
1
1鳥取大学医学部保健学科
pp.700-705
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903490
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はじめに
臨地実習は,学生が自らの看護体験を通して多くのことを学習できる貴重な授業方法1)である.しかしその反面,ややもすると患者が学習の手段として扱われてしまう危険性も否定できない1).したがって,臨地実習においては,患者中心の看護について体験を通して学習できるように計画することがまず第一に必要である.その学習過程で重要なことは,患者に説明すること,相手の意思を尊重して看護することであろう.こうした倫理的内容に関しては,従来学内では,看護倫理を中心とした看護学の専門科目の中で教育してきた.学内授業では,学生が臨床場面を具体的にイメージし,日常的な倫理的課題について考え,議論しやすいような教育方法の工夫を試みてきた2-3).しかし,その学習効果には限界があり,臨地実習という授業の中で工夫する必要性を再認識した.
学習の目標は,「患者の意思を尊重し,患者とともに看護を実践する」とした.その第一段階として,受持ち決定に関して学生自身が患者に文書と口頭で主体的に実習について説明し,患者の承諾を得る方法を試みた.その効果と課題について,実習終了後に実施した学生への質問紙調査の結果を中心に検討した.
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