看護教育研究
病児の付添いに対する看護学生の思いと学びの実態―学生へのアンケート調査から
鮫島 陽子
1
,
加藤 暢世
2
,
江口 八代美
2
,
森島 ゆり
3
,
斉藤 広美
2
1愛知県立春日井看護専門学校
2愛知県立総合看護専門学校
3県立愛知看護専門学校
pp.706-710
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903491
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はじめに
臨地実習において人間関係を成立させるための学習は,看護学生にとって重要な課題であるが,最近の学生はこれが苦手とされている.坂口1)は現代の若者の気質について8項目にまとめており,その特徴を,自己中心的で人間関係を築くのが苦手としている.小児看護学では病児の看護と同時に,付添っている家族も含めて,看護が必要になる.教員は病室でのコミュニケーションや日常生活の個別な援助を実習場で行っているが,付添いがいるところで臨地実習を行うことに学生はどのような思いを持っているのか,またどのような学びを得ているのか明らかにしたいと考えた.
付添いに対する学生の思いに関して河合ら2)は,全ての学生は母親あるいは患児とのコミュニケーションに不安を感じていたと述べている.小児看護学臨地実習での学びに関する文献では,山本ら3)が,学生が子どもに対する理解を深めるなどの主体的・創造的学習効果をあげるためには,子どもの実際の援助や子どもとの関係を通して体験したことからの学びが重要と述べている.竹村4)は,①子どもに対する考え,②子どもとの関係,③母親との関係,④小児看護学実習を終えて学んだことの4つに分類し,実習を通して子どもとの関わりを達成できるようになっていることがわかったとしている.また,吉川5)は看護学生の体験を実習終了後の面接から分析している.
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