看護教育研究
看護学生が過去の死別時に感じた生と死についての体験
上原 佳子
1
,
宮本 裕子
2
1福井医科大学医学部看護学科
2前:福井医科大学医学部看護学科
pp.693-699
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903489
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はじめに
病院で死を迎える人が多数を占める現在,死は家庭や日常から遠ざかり,死について語り合う機会が減少している.そのため,学校や社会の中で,年齢を問わず積極的に死について教育がなされる必要性が言われている1).
看護学生にとって生と死について学ぶことは,人間として,また生命にかかわる看護を学ぶ者として死生観を確立していくために不可欠である.学生は,看護教育を受ける前後に関係なく身近な人との死別体験が死を考えるきっかけとなり2-4),看護教育の中で生や死に関する考えを深め,死生観を育成していくことが明らかになっている3-6).しかし過去の死別体験時に,どのように感じ,どのような話をしたかについて具体的に明らかにした研究は少ない.学生は死をどのように受け止め,死生観の土台となる部分を築いているのか,生と死の教育を行っていく上で把握しておく意義は大きい.学生たちが今まで身近で死に直面した体験を調査・分析し,生と死の教育への一提言を得られたので報告する.
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