特集 看護学生の論文―大賞・入選論文の発表―看護のこれからを担う学生たちから寄せられた22篇
小児喘息児を持つ母親の喘息に関する認識の実態調査
大木 奈々美
1
,
内海 瑠里果
1
,
宮本 愛子
1
1川崎医療福祉大学保健看護学科
pp.630-633
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903478
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はじめに
ある日,我々は小児外来を訪れ,診察に訪れた一組の母と喘息をもった子の姿を目の当たりにし,強く印象づけられた.苦しそうな呼吸,顔色は悪く,疲れた様子で母の傍にいる11歳の男児であった.母親の話によると,子供は数日前より具合が悪く,手持ちの薬も「吐き気を催すから」と副作用を気にして,幾日も投与せずにぎりぎりまで放置された状態で外来にやってきたのである.もう少し遅ければ,この子は死に至っていたかもしれない.
これまで気管支喘息等アレルギー疾患は死なない病気と一般に考えられていたが,気管支喘息発作死亡率は過去20年間,人口10万対5~5.5人といわれ,最近の治療法の進歩にもかかわらず減少は見られていない.最近特に,気管支喘息発作による青少年男子の死亡が増加しつつあることが明らかになり,厚労省死因統計においても小児においては,気管支喘息は10大死因の中に入り(男児では9位),問題となっている.
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