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特集 気管支喘息の新しい視点
小児喘息と成人喘息の関係—小児喘息の予後と成人への移行について
Epidemiology and Natural History of Bronchial Asthma:Prognosis of child-onset asthrna in adulthood
丸尾 はるみ
1
,
赤坂 徹
1
Harumi Maruo
1
,
Toru Akasaka
1
1埼玉医科大学小児科
1Department of Pediatrics, Saitama Medical School
pp.859-864
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900339
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はじめに
小児期に発症した気管支喘息の30〜70%は思春期に達するまでに自然寛解(outgrow)するといわれている.残りは成人喘息へ移行するが,この時期に一旦寛解を得た症例でも壮年期や老年期になって再び発作をみるようになることはまれではない1).
一方,成人喘息では30〜50%が10歳以下で発症したものであるという2).成人喘息の長期予後は小児喘息と際立った相違をみせており,緩解にもっていける率は低い1,3).観察期間が長くなると緩解率は低下する傾向にあり,成人喘息は生涯にわたって軽快と悪化をくり返す治癒し難い疾患であるといえる.
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