学生研究
母乳栄養の認識度とその実態調査
佐賀県立衛生専門学院保健助産科8回生一同
pp.127-133
発行日 1981年2月25日
Published Date 1981/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205813
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1.はじめに
わが国では昭和30年頃より母乳栄養が減少し,人工栄養の増加傾向がみられた。厚生省の調査によれば,母乳栄養は昭和34年の56.1%から昭和46年の32.7%へと減少し,逆に人工栄養は12.0%から43.3%へと増加している。これは人工乳の進歩や職業を持つ母親の増加などに起因するところが大きい。
近年,栄養学的・免疫学的・心理学的立場などから母乳栄養の必要性が強調されはじめ,昭和50年1月から厚生省は母乳運動を開始した。また,講義においても母乳栄養の減少傾向が指摘され,母乳推進の必要性をたびたび耳にした。このように,母乳栄養が脚光をあびてきている中で,「乳児栄養法の現状はどうであろうか」「母乳の利点の理解はどの程度のものなのか」「母乳栄養を阻害する因子は何であろうか」などの疑問を日頃感じていた。そこで,私たちは母乳栄養の現状を知り,今後の指導に役立てたいと思い,この調査に取り組んだ。
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