特集 看護学生の論文―大賞・入選論文の発表―看護のこれからを担う学生たちから寄せられた22篇
患者の闘病意欲を促進させる要因について―実習で受け持った2人の患者との関わりを通して考えたこと
堤 晶子
1,2
1川崎市立看護短期大学
2日本医科大学付属多摩永山病院看護部
pp.614-617
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903472
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はじめに
岡堂は,「人が体の変調や病気に気づき,どのような行動を選択するかは様々な要因の影響を受けて決定される.なかでも重要な因子には,第1に患者自身の生活史,経歴,パーソナリティ特徴,第2にその病気自体の特徴,第3に環境条件が挙げられる.これらの要因は,患者が直面する心理的危機の状態の経過と結末を決める力をもっている」と述べている1).この文献から,患者が傷病をなおそうという強い意志をもち,積極的,前向きに療養生活を送ることができるかどうかは,様々な要因が影響していると考える.
K市立Ⅰ病院での実習で受け持った2人の患者は,自ら前向きな目標を設定し,積極的に副作用の強い治療やリハビリに取り組む姿勢や言動が共通して見られ,2人の闘病意欲はどこからきているのだろうかと不思議に思った.今回対象とする2人の患者は,疾患やそれに伴う治療・看護をはじめ,性別,発達段階,生活背景など異なる点が多い.この研究では彼らの意欲を促進させる要因について検討し,得られた結果を今後の看護援助に生かしていきたいと思う.
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