特集 看護学生の論文―大賞・入選論文の発表―看護のこれからを担う学生たちから寄せられた22篇
男性炎症性腸疾患患者401名における医療・福祉・生活課題の分析
大隅 牧子
1
,
大内 芙美
1
,
山田 公子
1
1名古屋大学医学部保健学科看護学専攻
pp.618-621
発行日 2003年9月25日
Published Date 2003/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903473
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
潰瘍性大腸炎とクローン病に代表される炎症性腸疾患(以下IBDとする)は,若年で発症し,再燃・緩解を繰り返す.その原因は不明で治療法は未確立であり,長期的なケアの課題が多いといわれている1).患者数は平成13年の特定疾患医療受給者証発行数によると潰瘍性大腸炎(以下UCとする)72,672名,クローン病(以下CDとする)21,061名と報告され,年々増加傾向にある2).また,疾患コントロールのためには,栄養管理を中心とした日常生活の管理,食事療法,薬物療法,手術療法などが必要となり,患者の抱える医療・福祉・生活ニーズは多岐にわたる.
私たちは,先行文献3)より男性IBD患者が一般男性より強い不安を抱えていることを知った.本研究は,男性IBD患者に焦点を当て,自由記載内容を分析,検討することで,男性IBD患者の医療・福祉・生活課題を明らかにするとともに,IBD患者のサポートについて示唆を得ることを目的とする.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.