看護教育研究
看護基礎教育における小児虐待の位置づけと実態
村上 京子
1
,
森田 秀子
2
,
飯野 英親
1
,
岡光 基子
2
,
塚原 正人
1
,
辻野 久美子
1
1山口大学医学部保健学科
2山口県立大学看護学部
pp.498-503
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903225
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はじめに
近年,少子化や核家族化により子育て環境が孤立してきたことなどに伴い,児童虐待が急増している1).2000年11月には児童虐待防止法が施行され,以前から考えられてきた地域システムにおける機関役割の明確化2)とともに,被虐待児に対する保護システムの整備3)が進められている.医療機関,保健機関,児童相談所,保育所・学校,保護施設など多くの機関で働いている看護者は人員も多く組織力があり,親や子どもと身近に接する機会があるため,ネットワークの重要な役割となることが期待される.具体的には,小児虐待の予防,異常の早期発見,被虐待児とその親へのケアなど,機会を捉えた適切な対応が求められる.
一方,看護教育の中では小児虐待についてどのように教育されているのか,その実態は不明である.今回,われわれは,わが国の看護教育基礎過程における小児虐待に関する教育の実施内容について調査を行った.本研究が,小児虐待に関する教育の現状と課題を検討するための基礎資料となれば幸いである.
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