短報
医療施設の看護師採用における色覚検査の実態
村上 京子
1
,
飯野 英親
1
,
塚原 正人
1
,
辻野 久美子
1
1山口大学医学部保健学科看護学専攻
pp.348-349
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100474
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2001年10月から雇入時健康診断における色覚検査が廃止となった。色覚検査で異常と判別される者(以下,色覚特性者)の大半が業務に支障がなく,不要な採用制限を避けるためである。学校保健でも,1994年より大学入試時の,2003年度より小学校の色覚検査が廃止された。
先天性色覚特性の多くはX連鎖劣性遺伝であり,男子の約4.5%,女子の約0.2%と高い頻度で見られる1)。このうち強度の色覚特性者は0.5%で,交通・運輸関係の仕事,精密な色合わせを必要とする職種が不適当と言われる2)。色覚特性者は色の認識程度により,労働場面で困難に直面することがある3)が,どのような場面で色覚が問題となるのか調査したものは少ない。看護職においても採用時に仕事内容と個人の色覚認識を特に考えることなく,色覚検査が形式的に行なわれているのではないかと考えた。そこで,看護師採用時における色覚検査の実施状況を調査し,今後の課題について検討した。
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