焦点
川崎協同病院「安楽死(殺)」事件―問われる生命への姿勢
清水 昭美
pp.479-483
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903219
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はじめに
神奈川県川崎市の川崎協同病院(厚生労働省の臨床研修病院,病床数267)で,1998年11月,気管支喘息の発作で入院した男性患者(当時58歳)の主治医(女性,47歳)が,「これ以上の延命は忍びない」と患者の気管内チューブを抜き,鎮静剤,筋弛緩剤を投与して死亡させていたことが,3年半を経た2002年2月19日,分かった.
堀内静夫院長は「安楽死の要件を満たしておらず,刑事事件に発展する可能性がある」として県警に事情を説明した.主治医は,カルテや死亡診断書に事実と異なる虚偽の記載をした疑いも出ているという.事件は現在,警察の捜査中であり,川崎市も立ち入り調査をはじめた.
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