連載 訪問看護必携ノート・3
体表から探るフィジカルアセスメント
塩原 真弓
1
,
森山 信男
2
,
安酸 史子
3
1信州大学医学部臨床検査医学講座
2東京大学附属病院血液浄化療法部
3岡山大学医学部保健学科
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903209
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
No7:意識障害というと漠然としますが,原因とか評価方法はあるのですか?
意識とは何かという定義は,現在のところ決定的なものはありません.ただ,実際的な臨床の場では『自分が誰で,どういう状態や環境に現在いるのかをちゃんと理解・認識している状態』と考えて良いと思います.意識障害といってもあくびが出る程度から,全く反応を示さない状態まで様々です.意識障害を疑った場合には,まず,意識レベルの評価をすることから始めましょう.
意識レベルを客観的に評価する方法はいくつかありますが,日本で多く使用されるのは,表のGlasgow ComaScaleとJapan Coma Scaleの2つです.Glasgow ComaScaleは意識レベルを開眼(E:Eye Opening),言葉(V:Best Verbal Response),運動(M:Best Motor Response)の3つの項目で評価し,この合計点が高いほど意識レベルが高いことになります.またJapan Coma Scaleは急性期意識レベル分類法で,意識の覚醒を基本としています.刺激がなくても覚醒している,刺激を加えると覚醒する,刺激を加えても覚醒しないの3項目に分け,さらに呼びかけ,痛み刺激に対する反応を3つに分類し,最終的に9段階の意識レベルに分類します.こちらは合計点数が高いほど意識レベルが低いことになります.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.