焦点 老人ケアの教育とカリキュラム
解説
看護基礎教育における老人看護の位置づけ
田島 桂子
1
1聖隷クリストファー看護大学
pp.476-484
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900219
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はじめに
わが国の看護教育においては,長い間「老人看護」を授業科目とした教育を行なってこなかった。看護基礎教育の教育課程では,看護の本質の教育を主たる目的として,看護の概念,人間の理解,疾患を持つ患名の看護について学ぶことを中心としてきたからであろう。
ところが,高齢社会への急速な移行を間近にして,厚生省が打ち出したゴールドプランに象徴されるように,さまざまな高齢者対策が必要になり,看護基礎教育でも高齢者への看護のあり方に関する学習を強化することになった。しかし,「老人看護」を独自に取り上げた教育の歴史は浅く,教育内容の確立,臨床実習施設の選定およびその方法,指導者の問題などの点で克服しなければならない多くの課題を抱えているのが現状である。
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