連載 訪問看護必携ノート・7
体表から探るフィジカルアセスメント
森山 信男
1
,
安酸 史子
2
1東京大学附属病院血液浄化療法部
2岡山大学医学部保健学科
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903290
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No.19:IVHの意義,管理上の注意点を教えてください.
経中心静脈高カロリー輸液(IVH)は,血流量の多い上大静脈や下大静脈(これらを便宜上中心静脈と呼ぶ)経由で,1日の投与水分量(40~60ml/kg/day)の範囲内で十分なカロリーや必須アミノ酸などを投与する方法です.高濃度の糖や高張液でもすぐにうすめられるという点を利用して経口摂取できない患者さんに長期間,栄養補給する場合に実施します.
穿刺静脈は,鎖骨下静脈,内頚静脈,外頚静脈,大腿静脈が主で,現在は一般的には内頚静脈が使われます.カテーテル挿入時の合併症として,大腿静脈以外では気胸や空気塞栓があります.その他,穿刺時胸痛,背部痛,咳嗽などがあります,鎖骨下静脈カテーテルは長期留置の副作用として,同静脈が狭窄し,上腕の浮腫や血流障害を起こす危険があり,将来,内シャントを作る場合には望ましくありません.また,大腿静脈の場合は不潔になりやすく,歩行も困難です.深部静脈血栓症および感染予防の面から他の血管穿刺ができない場合に限定します.
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