連載 訪問看護必携ノート・1【新連載】
体表から探るフィジカルアセスメント
塩原 真弓
1
,
森山 信男
2
,
安酸 史子
3
1信州大学医学部臨床検査医学講座
2東京大学附属病院血液浄化療法部
3岡山大学医学部保健学科
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903170
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No1:患者さんの身体に,発疹のようなものがあるのですが
発疹とは皮膚に生じた,肉眼的にわかる病変(形や色)の総称です.発疹は伝染性疾患や全身性疾患の一症状として出現する場合もあるので,注意が必要です.発疹を見たら,まず全身症状(発熱,関節痛,リンパ節腫張など)を観察してください.上記症状がない場合には,紫斑か紅斑かを鑑別します.ガラス板(透明なものであれば何でも良い)を斑に押しあてて,その斑が消えれば紅斑,消えなければ紫斑です.紅斑は表在性毛細血管の拡張により起こり,蕁麻疹やアトピー性皮膚炎,薬疹などが考えられます.紫斑は表在性毛細血管の破綻と出血が原因となるため,歯肉や鼻腔など他の場所からの出血はないか,出血傾向となるような副作用を持つ薬剤を服用していないかなど,さらなる観察や問診を行ってください.また薬剤アレルギーや伝染性疾患の可能性はないかなどを考えます.現病歴や既往歴,家族歴,使用している薬剤の種類と量(異なる医療機関から同種の薬剤や,副作用を増強させるような薬剤が処方されていないか)などを確認する必要があるでしょう.
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