連載 看護基礎教育において「安全」をどう学ばせるか・3
重大事故につながりやすい技術の学び方―②与薬―内服薬
登坂 有子
1
1山梨県立看護大学短期大学部成人看護学講座
pp.484-487
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903220
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はじめに
日常の看護業務の中で実施頻度が最も多い相対的医療行為の一つが与薬である.与薬の方法は多岐にわたり,その適用経路は注射,服用,塗布・塗擦,吸入,注入等複雑で,使用される薬剤の数,形状も多種多様である.いったん,身体に入った薬物は,複雑な作用機序を呈し生体に反応を起こす.薬物治療により,患者が快方に向かうことが期待される一方,時に不快な副作用を引き起こす危険も孕んでいる.誤薬など,一歩間違えれば極めて重大な医療事故を招いてしまうこともある.よって,与薬は準備の段階から与薬後の観察に至るまで,緻密で適正な看護職者の専門的能力が要求される.
本稿では,種々ある与薬の中でも,とりわけ実施頻度が高いと思われる「内服薬の与薬」についてその重要性と危険性,またいかに事故を未然に防げるよう,安全に行っていくべきか,基礎教育における学習方法について述べることとする.
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