連載 訪問看護必携ノート・5
体表から探るフィジカルアセスメント
森山 信男
1
,
安酸 史子
2
1東京大学附属病院血液浄化療法部
2岡山大学医学部保健学科
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903890
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No.13:筋肉注射の部位と注意点を教えてください.
注射部位は筋肉が厚く,大血管や神経の少ない殿部(中殿筋),上腕(三角筋)が適しています.ただし,幼小児では殿筋の発達が不完全なため殿部への筋注は行わず,大腿上部を主に用います(図).注射針は,鉛筆のように注射器を保持して,皮膚との角度は通常直角(45-90度)で素早く刺入させます.このとき激しい走るような痛み(神経損傷)や内筒をひいて血液の逆流(血管内への刺入)がないことを確認します.
殿部では,血管と神経を避けるために,筋注部位の同定法があります.クラーク点(前後の上腸骨稜を結ぶ直線の前1/3)やホッホシュテッターの部位(掌中央を大転子部に置き,示指先端を上前腸骨稜に固定して,中指をいっぱいに開く.腸骨稜との間にできた円弧の中点または,指の中位関節付近),4分法(腸骨稜,殿溝,脊柱,殿部外側縁からなる仮想円の外1/4)や4分3分法(この円の中心と上前腸骨稜を結ぶ直線の外1/3点)などです.
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