特集 看護技術教育のこれから
第2部 医療事故の実態から看護技術教育の方法を見直す
現場感覚を取り入れた技術演習の方法
横井 郁子
1
1埼玉県立大学短期大学部看護学科
pp.961-966
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902633
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はじめに
私は平成11年度の厚生科学研究「医療事故対策システム構築に関する研究(川村治子研究代表者)」に研究協力者の一人としてかかわった.このときに,注射事故に関するヒヤリハット報告を読み,さらに川村治子先生が作成したエラーマップをくり返し見た.それからおよそ2年が過ぎた.このわずかな間に医療事故予防に関する研修が各地で開かれ,病院にはリスクマネージャーが置かれるなど,臨床の現場は事故予防に向けて組織全体で動き始めている.
先日も実習病院で学生実習に備えて研修をさせてもらったのだが,事故対策がいたるところで実施されていた.とくに薬物の管理,配薬には事故を起こしにくいシステムが導入され,確認体制の強化,類似薬への注意を促す表示など,どれも医療事故事例に学んだ対策であり,上記報告書の中で提案した内容のものもあり,うれしかった.それにしても,業務が変化するということは,働く者にとって非常に大きな負担である.しかし,頻発する医療事故を予防するために,慣れ親しんだシステムを変更し,業務改善を強いられたのはこの病院だけではないだろう.
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