実践報告
死後のケア演習を取り入れた看取りの教育
小林 祐子
1
,
清水 理恵
1
1新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
pp.404-408
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102079
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はじめに
わが国では,緩和ケアの推進によって医療現場でも看取りを含めた対応が求められるようになり,看護学生に対する緩和ケア教育の充実は,重要な課題となっている。看護基礎教育課程における緩和ケア教育は,ターミナル期にある対象を尊重した援助の基本を学ぶだけでなく,学生が自らの死生観を養っていくためにも重要な授業科目である。ターミナル期にある患者は,身体的苦痛をはじめとしたさまざまな苦痛やニーズを抱えており,家族も含めた幅広いケアを行うための知識や技術が必要とされる。そのため,実習時に学生がターミナル期にある患者を受け持った場合,思うように患者と関われず,ニーズに沿ったケアを提供することの困難さを経験することも少なくない。このような状況から,緩和ケアに関する知識を深め,人の死に向き合えるような教育が必要であると考える。
本学では,いのちを尊重し,病む人に寄り添える医療者の育成を目指して,看護だけでなく生と死に関する複数の科目のなかで,看取りを支えるための幅広い学びができるような内容で授業を構成している。今回,死後のケア演習を取り入れた看取りの教育方法の検討について報告する。
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