特集 「主体的に学ぶ」授業
「看護過程」の授業にPBLを導入して(1)―シナリオ開発の実際
小山 敦代
1
,
角濱 春美
1
,
浅田 豊
1
,
藤本 真記子
1
,
佐藤 愛
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.290-293
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902483
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はじめに
看護を学ぶ学生に,初めて看護過程を教える際には学生も教師も戸惑いが大きい.「生きた病気を持った人間を知らない学生に看護過程の段階だけを教えても何の意味もないし学生は何も分からないだろう」1)「学生には具体的な患者像や看護ケアがどのようなものか,イメージできないため,たとえ事例を挙げて教授しようとしても学生は理解できない」2)と指摘される通り,患者や看護,看護過程そのものに対する,学生のリアリティーのなさが教授の限界を示していると思われる.そこを克服しようと,その教育方法は様々に工夫されている.
青森県立保健大学(以下,本学)基礎看護学領域でも,「看護理論と看護過程(1年次後期,60時間,2単位)」の開講に伴って,学生のリアリティーのなさを踏まえて,どのように教育すればよいかを検討した.その際,学生に看護過程の展開を体験させるために事例検討を行ったとしても,与えられた情報の細かい分析や判断に膨大なエネルギーを費やし,その結果,「看護過程は難しい」というイメージを学生に与えてしまうことが多いことが問題となった.そして,リアリティーがあり,加えて問題を解決することに喜びを感じるような看護過程の教育方法はないだろうかと考えた.
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