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はじめに
1983年にKnotheらにより本来感受性を有するはずのセフォタキシム(cefotaxime,CTX)やセファマンドール(cefamandole,CMD)に耐性を獲得したKlebsiella pneumoniaeが報告され,その耐性の原因となるβ-ラクタマーゼは伝達性のプラスミド上に存在する薬剤耐性遺伝子によって支配されていることが解明された1).これらのβ-ラクタマーゼは,基質拡張型β-ラクタマーゼ(extended spectrum β-lactamases,ESBL)と呼ばれ,当初は欧米を中心にEscherichia coliとK. pneumoniaeにおいてESBL産生菌が報告されていたが,近年ではわが国やアジア地域を含む世界各国で分離され問題化している.菌種は,E. coliやK. pneumoniaeのみならずK. oxytoca,Proteus mirabilis,Citrobacter spp.,Enterobacter spp.,Morganella morganii,Salmonella spp.,Serratia marcescens,Shigella dysenteriae,Acinetobacter spp.などでも報告されている.
本稿では,米国臨床検査標準化協会(Clinical and Laboratory Standards Institute,CLSI)の薬剤感受性検査法ガイドラインに新たに追加されたP. mirabilisにおけるESBL産生菌のスクリーニング試験および確認試験法2)と,当院におけるESBL産生P. mirabilisの検出状況について概説する.
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