特集 わかる授業の技術
―母性看護学―一方通行にならない授業を目指して
鈴井 江三子
1
1川崎医療福祉大学
pp.747-751
発行日 1999年10月25日
Published Date 1999/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902125
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「もっと知りたい」と思う気持ちを育てたい
私が教員生活を送るようになって,楽しみにしていることがある.それは私の講義を受ける前と受けた後では,学生の態度が変化することだ.何回めかの授業からその変化は見えてくる.もちろん全員が目に見えて変化するわけでなはい.それに私以外の授業による影響だってあるということも知っている.しかし私のしている授業は出席をとっていないにもかかわらず,欠席が皆無に近いのと,授業中寝る学生がいないことを考えれば,やはり多少は学生が期待しながら聞いているのではないかと思う.
まず,授業中寝る学生がいなくなる.下を向いて内職をしていた学生たちや,隣人とおしゃべりに興じていたものが、講義が進むにつれて私の方を向きだし,結構集中して講義を受けている.松ちゃん風の笑いと放送コードすれすれの表現がうけるらしい.小声で言った冗談も聞き逃さないよう,次は何を話すのかと待っている.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.