特集 グラフィック・シラバスとカリキュラム・マップ 授業とカリキュラムを「見える化」しよう!
グラフィック・シラバスでめざす授業改善 ②母性看護学
川嵜 有紀
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1甲南女子大学看護リハビリテーション学部看護学科
pp.1164-1168
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200400
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「教授方法」のブラッシュアップを求めて
私は,大学卒業後臨床で働き,短期大学の専攻科にて助産師養成課程を修了して,その後助産師として臨床を積み,私立大学の助手を経験した後,大阪大学大学院博士前期課程に進学した。わが国で教育者としての資格なしに教壇に立つ職を得られるのは,大学に代表される高等教育機関の教員のみである。そのため,将来大学教員として,講義に際しどのような教授活動を展開するのがよいのか不安があった。
団塊世代がすべて後期高齢者となる超高齢多死社会を迎える2025年まで10年となり,その時期に看護職を送り出していく立場である看護教育者として,社会の多様化,複雑化した医療や介護ニーズに対応できる学生を輩出することは,責務であり,大きな課題である。しかし,近年の学生の特徴からみると,「講義」「演習」を終え,「実習」にいくと途端にそれまでの講義や演習の学びを生かせない学生が増え,教員として授業内容に関する知識を深め,これまでの臨床経験をふまえて授業設計を立てるだけでは,限界ではないかと感じていた。
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