特集 わかる授業の技術
―解剖生理学―ケアに結びつく教え方
菱沼 典子
1
1聖路加看護大学
pp.742-746
発行日 1999年10月25日
Published Date 1999/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902124
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
今から20数年前,看護教育における基礎科目の教育をいつまでも医師に頼っていてはいけないという日野原重明聖路加看護大学理事長(当時学長)の発案で,解剖学の勉強を始め,解剖生理学注)の教育に携わるようになった.解剖学を学んでみて,私自身は臨床で起こっていることの理解が容易になったが,学生への教育場面では,解剖生理学の内容も,看護との関連もうまく伝えられない,伝わっていかないと感じていた.看護職である私が教壇に立っても,学生には解剖生理学は解剖生理学,病理学は病理学であって,看護学の専門科目とは別のものととらえられていた.
私が教育を受けた解剖学や生理学は,医学の枠組みで構成されたものであり,しかもそのミニチュア版なので内容は不十分だというメッセージを受けながら学習した記憶がある.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.