連載 待合室で僕は・10
鵜飼いの鵜
大西 赤人
,
大浦 信行
pp.792-793
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901701
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本題へと進む前に,映画のお話を少々.
ウッディ・アレンという俳優が居る.美男には程遠い容貌だし,スタイルも良くないのだが,ペラペラと早口でしゃべりまくって存在感を発揮する.しばしばコメディー・タッチの映画に出演し,たしかに観る者を笑わせはするけれども,それらの作品の多くは単純なドタバタ喜劇ではなく,人間性の奥底に関わる部分を持っている.自ら脚本や監督を手がけ,特に1970年代後半からの『アニー・ホール』『インテリア』『マンハッタン』などの作品は,都会生活者の微妙な不安定感を描き出して高い評価を受け,近年も次々に新作を発表しつづけている.
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