連載 「准看報告書」以後の看護教育制度をめぐって・7
就業准看護婦・士に質の高い進学コースの教育を―進学コースの教育は長年の勤務経験に置き換えられない
鈴木 昭子
1
1茨城県立水戸看護専門学院
pp.828-832
発行日 1997年11月25日
Published Date 1997/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901709
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はじめに
昨年12月20日,准看護婦問題調査検討会から「21世紀初頭の早い段階を目途に,看護婦養成制度の統合に努めること」と提言された.明解な准看護婦養成停止は打ち出されなかったものの,看護婦養成制度の統合にあたって,「准看護婦・士資格を有する者が看護婦・士の資格を取得するための方策を検討すべきである」とした.しかし,未だ移行措置については,どのような検討段階にあるのか,厚生省より示されていない.また,准看護婦・士から看護婦・士への教育を担ってきた看護婦2年課程(以下,進学コースと述べる)のカリキュラム改正も先送りされている状況である.
私は,進学コースの教育に携わる者として,移行措置の名のもとに「勤務経験年数に応じて実習時間を免除する」というような安易な緩和策があってはならないし,進学コースのカリキュラムの中でも特に臨床実習が重要であると考えている.だから,准看護婦・士で就業している方々(全国で約40万人,茨城県では7724人:平成8年度)には,積極的に進学コースの教育を受けてほしい.そのためには,もちろん,進学コースにおける教育環境の整備や,教育内容を充実・強化しなければならないと考えるのだ.
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