連載 待合室で僕は・11(最終回)
“人権”重視の裏側
大西 赤人
,
大浦 信行
pp.1008-1009
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901737
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日本の皇室には,神から与えられた伝説的な皇位のしるしとして,代々,「三種の神器(“じんぎ”または“しんき”)」が継承されている.その三種とは「八呎の鏡」,「草薙の剣」または「天叢雲の剣」,「八尺瓊の曲玉」なのだが,これが転じて,何か重要な品物が3つあると,それらをまとめて「三種の神器」と表現したりする.少々古い話になるけれども,「3C」とも呼ばれた「カー,クーラー,カラーテレビ」などはその典型である.
さて,近年,僕は,「人権,エコロジー,セクシャル・ハラスメント」の3つを新しい「三種の神器」と規定している.これらのキーワードのどれかに引っかけさえすれば,簡単にもっともらしい社会性が生じ,かつ幾分進歩的な色合いを伴っての発言や作文が可能になるというわけである(付け加えれば,最近ではこれらの中に「インフォームド・コンセント」も仲間入りして,「四種の神器」となりつつあるようだが).
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