特集 授業としての臨地実習
臨地実習の教育的展開から学べるもの
齋藤 ゆみ
1
1自治医科大学看護短期大学
pp.115-120
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901313
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臨地実習の教育的展開としての「課題学習」
E. ウィーディンバッグはその著書である“Meeting the realities in clinical teaching”(『臨床実習指導の本質』,都留伸子他訳,現代社,1989)において,専門職業的な性格を持つ分野には,その行為を明確な目的に向かって導いていくための基礎として,「規定理論」が必要であり,そこには「中心目的」と「中心目的」を達成するための「規定」があり,かつその「中心目的」の達成に影響を与え直面している「現実」を明らかにすることが重要であると述べている.そして,その上で看護の「臨床教師にとって,最も大切なことは自分の教育目的をはっきりと言語化して表現すること」とある.それによって,教師は自分の教育効果の度合いを測る基準を持ち,思慮深く再吟味した体験から,新しい洞察を積み重ね,教育の一貫性と信頼性を高め,臨床教育におけるその教師固有の教育目的を練り上げていくことができると述べている.
筆者は1990(平成2)年度新カリキュラムの,看護教育を「教育に」の理念を具現化する取り組みを機に,成人看護学実習Ⅱにおける「教育」の方法として「課題学習方式による実習」を提案し,実施してきた(詳しい内容は本誌『看護教育』第36巻8~10号に報告している).
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