TOPICS
ベルギーのsTimulケア倫理ラボに学ぶ看護倫理教育
堀井 泰明
1,2
1天使大学看護栄養学部
2天使大学大学院看護栄養学研究科
pp.66-70
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200080
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ケアリングに関わる問題意識
私は大学で哲学的人間学や倫理学を教えている教員です。自身のバックグラウンドは文系ですが,2000年に看護大学に奉職したことをきっかけに,看護倫理教育にも携わることになりました。現在,勤務校の倫理委員会委員長を務めながら,札幌市内のいくつかの病院にも倫理委員として関わり,日々,看護倫理や医療倫理の問題に接しています。
看護学ではケアリングという概念が重要なキーワードとして登場します。この概念は「私とは何か」を考える哲学的な出発点として,また「倫理や道徳が,義務の遂行や行為の結果だけではなぜ説明しきれないのか」を解説する倫理学的な土台としても,実は重要なものだと私は考えています。こうした問題意識から,これまでに文部科学省科学研究費基盤研究として「ケアリングの臨床哲学的基礎付けから出発する看護倫理学の構築」「徳としてのケアリングを基盤とする看護倫理学の構築」などを進めてきました。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.