特集 看護における倫理教育
看護ケアの現場における倫理的問題
佐藤 蓉子
1
1広島大学医学部保健学科
pp.12-16
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901294
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はじめに
倫理とは,何が善であり何が害であるかを論じ,どのようにして善をなし害を避けるかについて考えることである.看護ケアはその対象となる人の健康面での「よさ」を追求する活動であるから,本質的に「倫理的」である.また,倫理的問題について問いかけるということは,それがどのような「価値」に基づいているのかを考えることであり,その価値が「誰にとっての」価値であるかを考えることである.
これまでの研究結果1~4)から,倫理的活動の実践者である看護婦の態度は2つに分類できる.1つは,看護の倫理性について自覚していない場合であり,もう一方は,明らかな問題意識をもっている場合である.
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