特集 効果的な授業を探る
授業の自己改善のための記録と分析
藤岡 完治
1
1横浜国立大学教育学部附属教育実践研究指導センター
pp.731-738
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900671
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はじめに
授業は教師と学習者と教材が,複雑に絡み合いながら時間とともに過ぎ去っていく.授業記録の目的は,複雑な要素を持つ一過性の現象を固定し,それに反省や検討を加えたり,これまで意識されていなかった授業の可能性を発見したり,追究することで,授業改善をはかっていくための資料とするところにある.
その意味で授業者が自分の授業記録を作ること自体が授業研究であるし,有効な逐語記録をとれることがプロフェッショナルな教師の条件といえる.また,授業を実証的,科学的に研究し,得られた知見を蓄積し共有していく上で,授業の記録はそのデータとなる.授業記録は授業研究のための客観的資料なのである.
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