調査・研究
高齢患者への自己管理指導に関する一考察―透析患者の症例を通して
小山 敦子
1
,
正木 治恵
2
,
野口 美和子
2
1千葉大学看護学部
2千葉大学看護学部成人看護学第一講座
pp.770-776
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900469
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はじめに
近年,透析技術の進歩,老齢人口の増加により,血液透析を受ける高齢者の数が増大している.一般的に,高齢者は記憶力が低下しており,理解力・判断力も低下しがちである.その上,視覚・聴覚に障害のある者も多く,四肢に機能障害のある者も少なくない.そのため,高齢者は一般的に自己管理能力が低いと思われる.また,高齢者への自己管理指導は大変難しいと言われている.
高齢透析者の自己管理に関する研究では,患者の自己管理能力の不足を,家族に指導することによって補ったり,看護者が患者とより多く接することによって補うことが必要であると,述べられている.しかし,高齢者自身が必要な自己管理行動を習得するための指導・援助方法について述べているものは少ない.そこで筆者は,透析導入期の高齢者への自己管理指導の過程を分析することにより,高齢者が自己管理行動を習得するための援助のあり方について考察した.
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